寄付月間2020公式認定企画 海外ドラマに見るファンドレイジングと寄付 vol.5

1年の終わりに寄付について考えるキャンペーン、寄付月間。公式認定企画として、海外ドラマの中のファンドレイジングと寄付の場面をご紹介してきたこのシリーズもいよいよ最終回です。今回は、不朽の名作「アボンリーへの道」をご紹介します。

アボンリーへの道(原題:Road to Avonlea)

「アボンリーへの道」は、「赤毛のアン」シリーズを手がけたサリバン・フィルムズ(現・サリバン・エンターテインメント)が、L.M.モンゴメリ原作の「赤毛のアン」シリーズのスピンオフ作品「ストーリー・ガール」を原案として制作し、1990年から1996年までカナダで放送されていた長編ドラマシリーズ。世界140ヵ国以上で放送され、今もなお多くの人に愛される人気作品です。

この作品では、1900年代(推定)のカナダ・プリンスエドワード島の小さな美しい村「アボンリー」を舞台とした、豊かな自然の中の人々の暮らしが描かれます。

この小さなコミュニティでは、人々は時に噂話で詮索しあったりしながらも、肩を寄せ合い、助け合うようにして暮らしています。その暮らしの中心には、常に信仰があります。週末ごとに教会に行ったり、日曜学校があったり、チャリティ活動を行なったり。逆にいえば、信仰で固く結びついている信頼関係があるからこそ、コミュニティが機能していると言えるのかもしれません。

この小さなコミュニテイで時折起こる出来事といえば、たいていは火事か流行り病か、ファンドレイジング。

このドラマに出てくる人々は、それほど物質的に豊かな生活をしているわけではありません。しかし、老いも若きも、いつも何かしら、ファンドレイジングをしたり、寄付をしたりしています。それは、つまり、助け合い。小さなコミュニティの暮らしの知恵のひとつなのかもしれません。

実際にドラマの中でも、寄付を集める場面があったり、寄付について家族や友人同士で話す場面が出てきたり、と様々な形でファンドレイジングと寄付が登場します。驚かされるのは、子どもたちの寄付への意識の高さです。

例えば、キング家の子どもたちが、りんご園でりんごを齧りながら、それぞれが持つ自分のりんごの木の収穫をどうするかについて語る場面では、一番年下のセシリーが「私はりんごを売って、教会に献金するつもり」と誇らしげに言います。(魔女の妙薬 シーズン1 エピソード9)個人的には、この場面は、7シーズンプラス特別編の全92話の中で一番好きなところです。

キング家の子どもたち

また、貧しいレスター家では、10ドルあったら何をするかと話しています。お父さんは漁船を買う、お母さんは屋根が直せる、お兄さんは株で儲けるといった話をしますが、ベッキーは全部チャリテイーに寄付するのだと言います。(町はお祭り騒ぎ シーズン6 エピソード3)

このシリーズでは、全編通して、寄付やファンドレイジング、チャリティといったことが散りばめられています。それらを探しながら見るのも楽しみのひとつですが、ここでは、一話まるごとファンドレイジングがテーマのエピソードをご紹介します。

ストーリー・ガール誕生(シーズン1 エピソード2)

アボンリーでは、学校の図書のための寄付を集めるため、幻灯機ショーを行うことになりました。子どもも大人も初めて見る幻灯機ショーが楽しみでワクワクしています。

字幕では、幻灯機ショーと訳されていますが、英語では、「Magic lantern show」と言っています。この「Magic lantern」という発音が、なんとも楽しそうです。今見れば、ただのスライドかもしれませんが、YouTubeやamazon prime video、NETFLIXはおろか、テレビもラジオも映画もなかった100年以上前の時代には、初めて見るワクワクするものだったのでしょうね。

さて、開催直前に幻灯機ショーを行うはずだった興行師のビーティーが、切符の売上を持ち逃げしてしまいます。図らずもビーティーの逃亡の手助けをしてしまった主人公セーラは、責任を感じ、寄付を募るため、アボンリーの家を一軒ずつ回ることにします。しかし、なかなか思うようにお金は集まりません。キング家の子どもたちが集めることができたお金は、全部合わせても3ドル40セントにしかなりませんでした。

セーラは、製紙業で成功してお金持ちになったキャンベルさんがアボンリーに戻ってきていることを知り、寄付を頼みに行きます。大人を相手に寄付の意義について語ったり、大口寄付のお願いを直接交渉するなんて、小さな女の子ながら、なかなかのやり手のファンドレイザーです。しかし、残念ながら、この交渉は、同行していた従兄弟のフェリックスの粗相によって失敗に終わってしまいます。

その後、ひょんなことから村の変わり者のジャスパー・デイルに出会います。彼が幻灯機を持っていることを知り、再度、幻灯機ショーを開催することを計画します。セーラは自ら、幻灯機の画像に合わせてマッチ売りの少女のお話を語ります。しかし、ショーの最中に大事件が起こり、この幻灯機ショーは大失敗に終わってしまいます。しかし、この催しに感動したキャンベルさんは、学校の本を買うだけでなく図書館を建てるようにと1000ドルを寄付してくれたのでした。そして、この図書館に自分の母親の名前を冠するようにと頼むのです。

主人公のセーラ・スタンリー

このエピソードは、小口の寄付だけでなく、大口寄付の可能性を考えたり、協力してくれる仲間を増やして、大きな活動にしていったりと、10歳くらいの女の子が主人公のわずか45分たらずのドラマですが、ファンドレイジングのエッセンスがぎっしりと詰まっています。

また、寄付に対して様々な意見が出てくるのも興味深いです。学校の先生でもある伯母のヘティ・キングは、家族や友人日本の大切さとそのための寄付がいかに尊い行為かを説明して地道な寄付金募集の活動をするように説く一方で、派手な催しも本の資金集めも賛成しないと言う友人のお母さんもいます。

それでも、周囲の大人が子ども達の寄付集めに協力することで、素晴らしい成功体験を重ね、寄付の文化が育っていくのだなと感じます。

私たちも自分たちの暮らしを振り返ってみると、案外と身近なコミュニティーの中に寄付等を通じた社会貢献の機会があるかもしれません。小さな活動でも、それらを通して、次世代を担う子どもたちに欲しい未来をプレゼントすることができるといいなと思います。

終わりに

5回にわたって連載した「寄付月間2020公式認定企画 海外ドラマに見るファンドレイジングと寄付」のシリーズは、今回で一区切りといたします。たくさんの方にご覧になっていただき、ありがとうございました。

私の海外ドラマ視聴の旅はまだまだ続きます。これからもまたファンドレイジングや寄付の場面を見つけたら、不定期で掲載したいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

サリバン・エンターテインメントが提供する「Road to Avonlea」公式サイトはこちらから→Road to Avonlea

アボンリーへの道は、amazon prime videoでご覧になれます。

寄付月間 -Giving December-

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